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2017.5.14 ・ラズ大森・東亜パークサイドキャッスル
テーマ：４回目の大規模修繕工事を終えて～いつどのような工事が必要で、費用はどのくらいかかるか～１．講　師：東亜パークサイドキャッスル管理組合　元理事長・顧問　片岡　浩氏２．場　所　大田区大森複合施設ラズ大森・終了後現地見学３．日　時：平成２９年５月１４日（日）１３：３０～１６：００
参考資料
2017.05.14 Luz(ラズ)大森→東亜パークサイドキャッスル「高経年マンションの維持と管理」講師：東亜パークサイドキャッスル元理事長（現顧問）片岡浩　氏　第52回勉強会は、築年数40年を超え第四回目の大規模修繕工事を終えたという「東亜パークサイドキャッスル」の維持管理に関する経験談をうかがい、現地を見学しました。お住まいの方が生活している建物を訪ねるため、今回は、休日昼間の開催としました。　当該マンションの元理事長の片岡浩氏に講演と現地の案内をしていただきました。当日の参加者は40名を超え、高経年マンションの維持管理に対する関心の高さを実感しました。　まずは、東京都大田区、JR大森駅そばのLuz大森4階の大会議室に集合し、第四回目の工事についての講義を聴講しました。　東亜パークサイドキャッスルは、1971年（昭和46年）に竣工した14階建て94戸（店舗3戸含む）のマンションです。区分所有者が居住している住戸が約6割で、約3割は親族や賃貸など所有者以外が住んでいて、居住者の約7割が65歳以上とのことです。（昨2016年6月現在）　大規模修繕工事は、1981年・1991年・2001年・2015年と過去に4回実施しています。　1回目と2回目は外壁補修・塗装と防水の劣化修繕のみ、しかも足場を設けないブランコ方式を採用して、工事費は1回目3千万円、2回目8千万円と安くあがっています。　3回目では排水本管やガス本管、ベランダ手すりなど配管や鉄部の更新や、住居の電気容量アップなど生活様式の変化に応じるための工事が加わってきます。　4回目では、外壁タイルの落下防止のため「ピンネット工法」でタイルを固定。コンクリートの爆裂修復（鉄筋防錆工事含む）、躯体の修繕も大がかりになり、さらに浴室排水トラップ更新や、オートロックシステム、照明LED化など利便性の向上や技術革新に対応する工事も増え、工事費が多く必要でした。　さらに、大規模修繕とは別に、給水本管の更新、エレベータ（2基）更新、玄関ドア・窓枠更新をそれぞれ単発工事として実施しています。　4回目の大規模修繕工事は約1億8千万円（戸当り約180万円）でした。　最初に設計コンサルを行う設計会社を選定して調査・設計をしっかりと実施した後に、複数の施工会社から見積もりを取って工事発注先を選定するという理想的な進め方で、工事費の低減は相当に図られていると感じました。　それでも、修繕積立金の残高では足りず住宅金融支援機構から借り入れしています。理事会に対する組合員の信頼なしには出来なかったことでしょうし、それだけ理事会が組合員に対して情報開示や日頃の親身な対応をしているのであろうことがうかがえました。　講義の後、Luz大森から3分程の現地に移動して建物を見学しました。　隣の公園からマンション建物を見上げた最初の感想は「築40年超には見えない」（月並みですが）でした。外廊下の天井に、各戸への給電用の配管が後付けで取り付けられていましたが、言われなければ気に留まらない程度のものです。　塩ビ防水シート工法で修繕した屋上も見学させていただきました。屋上には手すりがあり、居住者が屋上に上がることを想定した造りになっていました。14階建の屋上からの眺めは素晴らしく、夜景まで居たかったです・・・。　最後に、オートロックに改修した玄関を見学して、解散しました。【Ｑ＆Ａ】Ｑ：1階はピロティー構造とお見受けしますが、耐震対策は検討したのですか？Ａ：検討しました。ピロティーといっても一部壁が入っており、新築時の施工業者に強度の検討をしてもらい、結果、対応は見送りました。Ｑ：設計コンサルはどのように決めたのでしょうか？また工事業者選定にあたってのポイントは何でしょうか？Ａ：公的な機関に聞いて、設計会社を見つけました。施工会社の選定は、熱意があることを重要視しました。現地説明に営業しかこないような会社には熱意を感じませんでした。Ｑ：居住世帯の年齢構成を把握されていますが、回答率を高める工夫をしていますか？Ａ：定期的に調査を行っていますが、全住居から回答を得ているわけではありません。8割程度の回答率です。このくらいの精度で十分だと考えています。マンション内のコミュニティが活発であれば、回答率は高くなります。以上


片岡　浩氏

東亜パークサイドキャッスル



地上で						屋上で