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2015.05.28
 月島区民館 
いのちを守る@マンション体験型防災セミナー

講師:公益社団法人 危機管理協会専務理事 高貝正芳氏
    マジシャン 山口由興氏・円音さん(娘でキッズマジシャン)

http://www.imp-japan.org/index.html

いのちを守る@マンション体験型防災セミナー

講 師:公益社団法人危機管理協会 専務理事 高貝 正芳 氏
                マジシャン カッシー(山口 由興) 氏

 第36回勉強会は、約30名の参加があり、【セッション1】として、プロマジシャン・カッシーによる防災用品を使った華麗なマジックで場を盛り上げた後、セッション2の高貝ファシリテーター(実習の促進者)による講演に移り、公益社団法人危機管理協会の紹介も含めながら「防災3ポイントレッスン」、ワークショップ「防災リスク・サーベイゲーム」と、楽しく「防災」を学び、考えることができました。

【セッション2】
 危機管理協会では様々な防災セミナーを開催している。
 普段は4時間〜5時間、あるいは1泊2日のスケジュールで行うセミナーだが、本日は2時間で体験していただく。
 セミナーの目的は「いのちを守る」ため。数日前の大きな地震(5月30日の小笠原沖地震M8.1最大震度5強)でも「その時が来たか」と構えた。幸い震度4だったが、あれが震度6や7だったらどうなっていたか、「災害は忘れたころにやって来る」と言われているが、首都直下型地震はもう目の前と思っていた方がよいのではないかと思う。
危機管理協会は公益社団法人として3つの公益事業を行っている。その事業は「防災セミナー」、「危機管理主任」、「防災商品の認定」、合わせてホームセンターなどに防災コーナーの常設化のお願等を行っている。
組織は、もともとテロを想定し、自衛官や警察OBなどで立ち上げたもの。現在は震災を意識し「いのちを守る」活動を行っている。東日本大震災の被災地での活動経験を活かして皆さんの役に立ちたい。
セミナーとしては、他の例を真似るのではなく、自分で考え、決断して「いのちを守る」ための行動ができるようにすることを考えている。つまり、災害時「自分自身のいのちを守り、そして、大切な人たちを守れるようにすること」と考えている。

 防災についての本題に移る。
 テーマは「何に備えるのか」、「何のために備えるのか」、「大切な自分のいのちをどうやって守るのか」、普段は90分程度かかる内容を15分程度に縮めてお伝えする。
 まずは「何に備えるのか」。これは「首都圏直下型地震、マグニチュード7.3、最大震度7の広域の地震に備えること」。高貝氏の阪神淡路の被災経験を含め、その時を生き延びることを考えなければならない。
 「何のために備えるのか」これは、「大切な自分のいのちをその立場に応じ守っていくために」、そして、「時間が経ってでも大切な人と必ず出会えるように」。
 外に出ている場合には、ナイフ、情報を得られるものなどいろいろな装備を携行していること。できれば水、食料も。
 そして「大切な人をどうやって守るか」につながっていく。家で被災をしたときのための備蓄品、火災などで避難を要する場合の非常持出袋などが必要。
 まとめるとWhat、When、Where。Whatは大地震。Whenは「いつどこで被災するか」で対応は変わる。そしてWhere。自宅や職場の環境、海に近いとか山の側とかでも対応は自ずと変わる。
 東京都の地震想定は見直しごとに想定被害が大きくなっている。応急活動ができる人には、自衛隊、消防、警察等あるが、自衛隊を除き弁当はもっていない。
 消防、警察は1日で機能停止する。頼れるのは自衛隊のみかも知れない。首都圏に何人の被災者が出るのか?。国も行政も頼れず「その時」には自分で何とかする必要があると考えるべき。備蓄は以前は3日間だったが、今は一週間は必要だ。
 海岸では津波に、内陸部では同時多発火災にそれぞれ対応できるように。

【セッション3】
 3.11の被災状況をもとにしたビデオの視聴。東北の被災状況を再確認。

【セッション4】
 「いのちを守る@リスクサーベイ・ゲーム」を実施。これは想定力、想像力をアップさせるためのワークショップ(体験型講座)。@目的はいのちを守ること、A何に備えるのか、見える脅威、見えない脅威は何か?、B自分の立場でより具体的にケースを設定して、「情報収集、意思決定、そして迅速な行動につながるようにというプログラム。

【問題】
 私は父親、企業の管理職です。勤務中に大地震が発生した。家族との連絡も取れない。(選択肢)A「その場に留まる。会社の仕事を優先」、B「自宅に向かう」。

 1分間、各自で考えた後、各グループ内でその考えと理由を発表した。今回の会場では大半がAの「その場に留まる。会社の仕事を優先」を選択した。
 少数派Bについては、それを選択した理由等を全体に発表した。
 説明として、帰宅困難者の定義は20q以内であること。
 家族でどこかで集まろうとしても、その場所に行っていたとしても難しい。陸前高田では、同じ中学校の校庭にいながら1週間会うことができなかった例がある。
 家族で、「災害の時はどこで会うかを具体的に決めておくこと」が必要。災害伝言ダイヤルは2日間で消去され、800万件しか登録できない。三角連絡(被災地外の親族などに連絡し、その人から連絡して貰う)などの工夫も必要。

 本日は時間の関係で、他の問題は朗読だけで若干のコメントを行い、最後の「問題作成」の体験(自ら被災状況の問題を作成する)を行った。
 「私は△△です。○○○の状態で強い地震が発生。」と言うように想定される状況を作成し、それに関してどうするのかという選択肢を作る。各グループ内で発表し、グループ毎に一例を選んで発表を行った。

 「父親で会社員、自宅で被災した/A:自宅にいる、B:何とか会社に向かう」、「自宅で被災した自分の備蓄は十分と思うが、近所の人が分けてほしいと言ってきた。/A:分ける、B:断る」などの発表があった。

 最後に、危機管理主任者四級の試験を受験して本日の講演スケジュールを終了した。

 災害時に「いのちを守る」ことについて、今までは何となくその場は助かるだろうと安易に考え、その後どうするかということのみを考えていましたが、考え方を大きく修正されるセミナーであったと思いました。

以 上
先ずマジックからスタート
高貝氏 
 
いのちを守る@防災リスクサーベイ・ゲーム実践中