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2014.06.26 第9回フォーラム
600世帯の大規模湾岸タワーマンションで
1期理事長が起こしたマンションコミュニティ革命

 平成25(2013)年4月入居の、湾岸タワーマンションで1年間に50回以上の住民交流イベントを実施され、活発なコミュニティを作り上げられた、プラウドタワー東雲キャナルコートの副島理事長をお招きします。
 その卓越した企画力と行動力により、高い参加率を実現され、たった1年間で、奇跡的なコミュニティを作り上げられました。
 その結果、2期目理事には定員を超える立候補があり、入居1年後に実施された防災訓練の参加率は…新聞等メディアでも多数紹介されている副島理事長の初めての講演となり、貴重なノウハウを公開いただきます。
月島区民館 18:30〜21:00
フォーラム資料
マンションコミュニティ研究会入会案内・冊子「集まって住むってステキ!」案内
 
冊子「集まって住むってステキ!」申込書 
 マンションコミュニティ研究会が活動を初めてから3年半の勉強会やフォーラム等の活動を1冊に凝縮!
マンションコミュニティ研究会入会案内
【講演要旨】

 平成25(2013)年4月入居の、湾岸タワーマンションで1年間に50回以上の住民交流イベントを実施され、活発なコミュニティを作り上げられた、プラウドタワー東雲キャナルコートの副島理事長をお招きします。
 その卓越した企画力と行動力により、高い参加率を実現され、たった1年間で、奇跡的なコミュニティを作り上げられました。
 その結果、2期目理事には定員を超える立候補があり、入居1年後に実施された防災訓練の参加者は600世帯中370世帯、1000名(参加率60%)を超えたとのことです。

 今回は、その運営ノウハウを公開頂く初の講演となり、定員を超えるお申込みで満席となりました。

 すべては書ききれませんが、タワーでなくとも、新築でなくとも、活かせるヒントを沢山頂きましたので、その一部をご紹介します。

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【拍手で始まる理事会】
 理事会は楽しくないといけない、というのが副島理事長の考えです。
 そのため、良かったことは皆で祝い、ほぼ毎回の理事会が拍手で始まるそうです。
 新聞掲載、TV放映等はもちろんですが、理事の出産をお祝いしたり、イベント開催をねぎらったりと、ほめる、認めることを大切にされています。

 また、理事同士は家族ぐるみで交流があり、飲みにいくこともよくあるそう。
 こういったところから、議事についても賛成・反対含めて率直な意見が交わされ、アイデアもよく出る運営がされています。


【入居して最初の挨拶大会】
 入居開始後、住民は順次引っ越してくるため、お隣や同じフロアの人に挨拶がしたくても、いつ転居してくるのか、在宅が不在かがわからずなかなか大変という声がありました。

 そこで実施したのがこの挨拶大会。
 実施前はどのくらい集まるか分からなかったですが、結果として280世帯、720名の参加があったとのこと。

 各フロアごとの時間交代制で同じフロアの人と、上下階との人とは顔を合わせることができるようにされました。

 成功したポイントは、
1.「防災共助のための挨拶大会」というネーミング。震災後ということもあり、必ず関心があるだろう防災をテーマに取り入れたこと。

2.案内文の解答用紙に、「参加しない」という選択肢を入れて全員回答してもらうようにし、「強制ではないが、できれば参加してほしい」というメッセージを込めたこと。

 これが大盛況だったことから、当日参加できなかった人からも要望があり、入居6ヶ月目に参加できなかった人を中心に再度開催したとのことです。


【共用施設改革1・AVルーム】
 当初、55型のTVが1台しかなかったAVルームは、月5件の利用しかない施設でした。
 そこで理事会で活用を検討し、近隣に少ないカラオケを導入されました。

 利用料は1室1,000円/時間(平日は300円/時間)と設定。
 すると、使用頻度は劇的に増え、月に118件利用されるようになったといいます。

 一人あたりの金額ではなく、1部屋あたりの価格設定にしたこと。
 フロントに空き状況が常に掲示されすぐに使用できることなども好評でした。
 このカラオケルームを活用し利用率を高めるため、「カラオケ選手権」や「カラオケ王座決定戦」も開催され、練習をする人も多いそうです。

 また、使用者の要望により使用ルールを順次改定、追加設備を導入し、現在は冷蔵庫、電子レンジもあり飲食可となり、さらに満足度が高まっているそうです。


【ドラマ撮影】
 ホテルのように広々と美しい共有部を持つため、ドラマ撮影の依頼もある。
 一般的な集合住宅では、生活の支障になることや近所迷惑、プライバシーを考慮して断るケースも多いといいますが、ここでは問題点を整理しルールを決めた上で受け入れ、それが住民コミュニティや満足度にも大きく貢献しているといいます。

 具体的には、撮影会社と契約書を交わし、撮影スタッフのマナーや撮影時間の順守、器物破損への保証等をしっかりと設定したこと。
 また、2回目のドラマ撮影依頼時には、出演者と希望する住民の集合写真の撮影を認めてもらい、居住者には大好評だったそう。

 さらに、舞台として撮影されたドラマが全国放映されたことで、「田舎の両親がとても喜んでいた」等の後日談も後を絶たないとのこと。


【ママ会】
 子育て世代の入居者が多く、ママ同士の交流を求める声から始まったコミュニティイベントで、現在まで続いています。

 開催前には、キッズルームでママ達に声をかけ、開催時間の希望やグループ分けの方法、運営方法等について事前リサーチを行いました。

 すると、時間は家事の落ち着く午前10時〜12時くらい、グループ分けは子どもの年齢によるものがいい、運営は堅苦しくなく気軽に参加できるのが良いというママ達の要望がわかりました。

 そこで、「プラウドママ達のしゃべくり大会」という気楽におしゃべりを楽しめることを伝えるネーミングと、子どもの年齢を4段階に分けたグループで平日4日間、「働くママ」を対象にした土曜日開催の合計5日間の開催としました。

 これが大変に盛況で、現在はママ達の自主運営により継続されています。

 また、これが発展した形で、「賢いママ達のリサイクル大会」というバザーも実施され、「ここに住んでいる人の中での中古品は安心感があって良い」と大盛況だそうです。


【県人会】
 様々な地域の出身者が移り住んできているマンションのため、これも住民の要望により開催された同じ故郷を持つ人同士の交流会が「県人会」です。
 最初に実施した「大阪県人会」は日経新聞にも掲載されましたが、それにより他地域の住民からも続々と要望があり、
全国を10ブロックに分けて開催したといいます。

 東京で働いているために普段は標準語の人も、「気兼ねなく故郷の言葉で話せるのはすごく楽しい」ととても好評だそうです。


【プラウド商店街】
 多くの人が住まうマンションだからこそ、様々な技術を持つ住民がいます。
 これは、「プロの資格を持つ人が居住者に対して安く技術提供をする」取組みで、最初に行われたのが「家族写真撮影」です。

 マンションエントランスホールの一部をスタジオにして、プロの写真家である住民により市価より安くで撮影会を実施されました。
 写真館に行かなければ撮れないような高品質の写真をマンション内で気軽に撮影できるとあって、申込が殺到し途中で締め切らざるをえなかった程の人気だったそう。

 「年賀状の写真にできた」、「良い記念になった」と大変好評です。


 以上、年間50回以上開催されたイベントのうち、ごく一部とのことですが紹介させて頂きました。

 これがまだ入居1年目の取組みだというので驚きますが、成功に導いてきたコツは、どんなマンションにも活かせる内容だろうと思います。

 その一つが、すべての決定や行動に根拠を持つということです。
 施設利用率や、居住者の声を丁寧に調べ、判断の根拠とされています。
 二つめが、すぐに改善していくということです。
 この記事の中では、成功した形になったものをご紹介していますが、すべてが一筋縄でうまくいったことではなく、実施してみて、様子を見て、例えば料金改定やルール改定等の改善をどんどん実施されています。
 こういった部分が取組みを成功に導き、住民からの信頼も厚い管理組合運営をつくっていると感じます。

 事情はマンションごとに大きく異なるためそのまま真似できるものではありませんが、ひとつの成功事例として大変勇気の出るお話を聞かせて頂きました。
 この記事をご覧になっている皆さまも、ご自宅や携わっているマンションで少しずつ試してみてはいかがでしょうか。

(記録担当:栗原優香)
会場の模様…満員でした
副島理事長
TV放映された映像を一部紹介