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2012.02.02 防犯とマンション管理、地域コミュニティ

18:30〜佃区民館にて、マンション管理総合研究所の村澤優子さんによる防犯とコミュニティに関する勉強会を開催しました。

資料
 
防犯的観点から見たマンション管理とコミュニティ

 30名を越える参加者があり、予備に考えていた資料も無くなるほどで、関心の高さが伺えた。どんな人が参加しているのか、最初に簡単な自己紹介から始まった。
 管理組合はもとより、建築・設備業者、管理会社、マンション向けITサービス、マンション学会、マンション管理士等多彩な顔ぶれであった。
 今回は、マンションコミュニティ研究会の副代表であり、潟}ンション総合研究所代表取締役でもあり、防犯関係に造詣の深い村澤優子さんが講師となり、グループワーク的要素も加えながら、また、カラー写真で紹介しながら、わかり易く進められた。

1. 危機管理の真髄
 塚原卜伝の話を引用し、サザエさんの一コマ漫画を紹介しながら、危機管理は想像力、見えない危機を想像して回避するイメージ力を養うことの重要さを説かれた。

2. イメージをしてみましょう!
(1) まちで、どんな時に恐怖心を抱きますか?
(2) 住宅地で、最も危険な場所はどこだと思いますか?
 について、近くの席の人と間で10分ほど話し合われた。

3. 平常性バイアスと愛他行動
(1) 平常性バイアス:自分だけは大丈夫という楽観的心理現象
(2) 愛他行動:人を助けようとして自分も逃げ遅れ、災難に遭ってしまう行動
 この2つは、人間が本能的に持っている行動プログラムだ。

4.過去に学び、予測し準備することの大切さ
 「稲村の火」(共助)、「(津波)てんでんこ」(自助)の紹介があった。

5.過去が繰り返される
 自然災害以上に過去の犯罪は繰り返される。
(1) 他人事と聞き流す、自分だけは大丈夫
(2) マンションで起こった被害の事例紹介
 8件ほど紹介され、これらは何故起きたのか?共通点はあるのか?という質問が出され、代表的な答えは「人の目が届かない」というものであった。

6.われ窓理論
 集団の仔細なルール違反を見逃すことが、犯罪という重大なルール違反を起こさせてしまうという考え方。何故犯罪を起こしたのか、その原因を無くそうとするのではなく、環境を整えて、犯罪を起こさせる機会を無くそうという、予防対策が「われ窓理論」だ。犯罪に強い要素のうち、管理意識(良い状態を維持しようとすること)、縄張意識(侵入は許さないと思うこと)、当事者意識(自分の問題として捉えること)のソフト面重視の考え方をいう。

7.地域安全マップの紹介
 犯罪が犯行に及ぶ場所、即ち、誰もが入り易く、誰からも見えにくい場所を点検し、地図に表したもので、犯罪予測の助けとなり、予防することが可能になる。

8.講師からの提案
(1)マンション安全マップを作成してみませんか?
(2)マンション白地図を作成してみませんか?

9.参加者からの意見
(1)安全マップは、住んでいる人に意識を向けることが大切で、昨年の秋祭りにおいて、マンションスタンプラリー(普段見ない所を見て廻る)は、コミュニティ形成にも役立ち、防犯・防災対策にもなった。

(2)マンションの防犯対策は、外に対するガードと考えがちだが、内部で発生するものに対しては、どう注意したら良いだろうか。

(3)マンションは、昼間無人状態になる時が危ない。窓が開いていれば人が居ることがわかる。

(4)消防・警察の人に、もちつき大会に参加してもらっている。地域コミュニティに引き込むと周りの意識が高まる。

(5)駅前の花壇で、警察が花を用意し、町内会が維持管理を行っている。これも一体化意識だろう。

(6)超高層マンションでは、管理人が誰にも声をかけるようにしており、これだと部外者は入りにくい。普段警備員も巡回しており、常に見守っているという体制がとられている。

(7)海外暮らしが長かったが、同じ階の人に声をかけ、ホームパーティを行ったら数家族が集まった(すばらしいとの声)。 等々。

(記録担当:中西博)