mckhug.com
2011.02.24 マンションコミュニティ研究会 勉強会(第5回)
コミュニティで活かすコミュニケーション術
2月24日「コミュニティで活かすコミュニケーション術」というテーマで、今井唯子さんを講師にお招きして、ワークショップ形式で勉強会が行われました。
 今井さんは「The Tokyo Twoers」(超高層マンション)の初代理事を務められたそうで、今井さんの気遣い、思いやりの気持ちがその時の理事会の雰囲気を柔らかくし、役目を終えた役員さんたちが解散した後でもコミュニティ形成の中核となって動いていらっしゃるそうです。
 まさに今回のワークショップのロールモデル(模範、手本)を見たようで、楽しく勉強会が進められました。

1.導入部のお話

 最初に次の3つのお話がありました。

(1)こんなことはありませんか?
 「人が話終る前に答えてしまう」、「人が話している最中に他のことを考えてしまう」…。

(2)効果的なコミュニケーションとは?(本日のワークショップの目的)
 効果(結果)が出ないといけない。それは双方のメッセージに同じ意味を持つ時。

(3)本日のアジェンダ(検討課題)
 前半:メッセージの送り手として
 後半:メッセージの聞き手として

2.送り手として

(1)体験ゲーム
 自分の思っていることを具体的に言葉にできない、うまく説明伝達することができない、段階に分けて説明することが難しいなど、「明確に指示を出す」ことの重要さを、体験を通じて改めて認識しました。

 マンションコミュニティーでは、なぜ効果的なコミュニケーションが必要かということで、「チームワークの強化」、「良好な人間関係の維持」、「情報共有」…などのキーワードでまとめられました。

(2)練習問題
 会場を4つのグループに分け、次の2つのテーマで話し合った結果をホワイトボードに書き、それぞれの代表者から意見が出されました。
 A:効果的なコミュニケーションの特徴(特に他と違って目立つ点
 B:効果的なコミュニケーションの障壁

 ここでも効果的なコミュニケーションとは?といことで、「直接的」、「正確な情報」、「明確な情報」、「全員が理解できる」、「専門用語が説明されている」などがあり、次のようにまとめられました。
 A)最終的なゴールを考える・・・・「何を伝えたいか」、「相手に何をして欲しいか」
 B)相手に合わせる・・・・「相手の望む方法で!」

(3)メラビアンの法則
=55:38:7の法則
 3つの同じ簡単なセリフ(例:「今何時ですか?」)を3人がアクター(アクトレス)として演じる形で行い、「表情」、「身振り」、「語尾・語調」、などで受けた感じが違うことを学びました。
 55%:ボディーランゲージ≪視覚≫
 38%:声のトーン≪聴覚≫
  7%:言葉≪言語≫
 の比率で伝わるのだそうです。最もコミュニケーションに影響を与えるのは、「視覚」だということを体験をもって学習しました。

 
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則で、声の感じで、「maybe」(かもしれない)といった文がどの程度、「そうかもしれない」かを判断する実験で、力強い口調の場合は、普通の口調よりも、「そうかもしれない」と感じたということが立証できたという実験だと言われている。(ウィキペディアより)

3.聴き手として
(1)練習問題
 会場を4つのグループに分け、次の2つのテーマで話し合った結果をホワイトボード に書き、それぞれの代表者から意見がシェアされました。
 A)リスリングを効果的にするために必要なもの
 B)効果的リスニングの障壁

 これらを整理した上で、どうしてよい聴き手であることが重要なのかに始まり、よい聴き手になれば、「関係性の向上」、「理解度の確認」、「話し手に気づかせる」、「潜在的な問題に気づく」などすばらしい結果を生み出すことがわかりました。
 さらに、リスニングに関する所見として、人は聞いたことの40%〜70%を間違って解釈する。だから3回発信しなければならない。よい聞き手になるためには練習あるのみ!

(2)アクティブリスニング(傾聴)のテクニック
 会場から5組選ばれ、それぞれ下記視点で対話しました。
 A)あいづち:「なるほど」、「面白いですね」
 B)言い換え:「つまり・・・・ということですね」
 C)感情の反映:「それは大変でしたね」、「と思われていらっしゃるのですか」
 D)質問:「あの人というのは堺さんのこと?」
 ◆オープンクエスチョン・・・・・・多くの情報を引き出したい時
               深く話し合いが必要な時に有効
 ◆クローズドクエスチョン・・・・単純な事実のみを引き出したい時
               結論を出すのに便利
 E)まとめ:聞いたことを要約し理解したことを伝える

(3)最後に聴き手として次のようにまとめられました。
 A)最終的なゴールを考える・・・・「相手は自分に何をして欲しいのか」
 B)相手に合わせる・・・・「相手の望む方法でコミュニケーションを取る」

【新しい参加者】
 再開発コンサルタント、以前のフォーラム参加者(管理組合理事)、管理組合元理事ご夫妻、管理会社のフロントマン、今井先生のマンション関係者など10名の新しい参加者がありました。

(記録担当:中西博)